携帯電話の第一声で「もしもし」というのは日本人だけだ。世界の多くの人たちは、それとは異なる万国共通のある言葉から始める。ラオスの人も東ティモールの人もイエメンの人も「もしもし」とは言わない。
では、何と言うかというと、"Hello" だ。二言目はみんなバラバラだ。大抵の人は自国語で、各自の流儀で、そして個々の要件に応じて話を進める。でも、ミャンマーでもベトナムでもペルーでも第一声だけは共通なのである。
これまでいろんな国を旅行してきて現地の人が携帯電話をする様子をたくさん見てきたが、英語をまったくしゃべらないような人でも第一声はたいてい "Hello" なのである。そして二言目からバングラデシュの人はベンガル語に、グアテマラの人はスペイン語になる。
さて、なぜ日本人だけが携帯電話の第一声で「もしもし」と言うのか? ここで「日本人だから日本語でしゃべるのは当たり前だ」というのは答えにならない。なぜなら、世界の多くの人たちは自国語ではない言葉で携帯電話の第一声を発するからである。
質問の仕方を変えよう。なぜ日本人は携帯電話を "Hello" から始めないのか? ここで「そこだけ英語で言うのはおかしいだろ!」というのも答えにならない。なぜなら、世界の多くの人たちは第一声だけを英語で言い、第二声から自国語でしゃべるからである。
おそらくは "Hello" で話を始めるのが世界標準なのである。世界中の人たちを観察したわけではないし、統計を取ったわけはないが、たぶんそうだ。かなりの割合の人が、きっとそうだ。
その中で、日本人は例外なのである、おそらく。日本人だけではないかもしれないが、"Hello" から始めない人は世界の少数派に違いない。なぜか? 非常に興味深い現象である。
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