2019年10月29日火曜日

無宗教

 外国に行くと、「お前の宗教はなんだ?」としばしば聞かれる。そんなとき、「無い」とか「何も信じていない」などと答えてはならない。そう答えたら、「人でない」ことを表明したと受け取られる。
 ところで、我々日本人の宗教観は「無」なのである。無為、無常、無我、無欲、無念、無想。「空」の宗教といってもいいのだが、無であれ空であれ、英語で言うと「Nothing」とか「Empty」になってしまい、結局のところ 「無神論者=人でない=人間社会を破壊する者」と受け取られるのがお決まりである。
 だから他人に宗教を聞かれたら、とりあえず「ブッダ(仏教)」と答えるのがよい。無や空は仏教と関係があるから決してウソではないし、そう答えれば相手に不審がられることもない。何度かそう答えるうちに、自分の中にどのように宗教が生きているか自分で考えることにもなるだろう。

2019年10月22日火曜日

おじゃる丸

 忍者もの・侍もののアニメやドラマはたくさんあるが、それに比べて貴族・公家系のアニメやドラマはとても少ない。僕が唯一知っているのが、NHK・Eテレで放映中の「おじゃる丸」だ。
 さて、今日の式典の様子をテレビで見ながら、娘が言った。「ひな祭りみたい!」。女の子目線では、そう映るのだろう。それに続いて僕が言った。「おじゃる丸の世界だ」。男の子目線だと、きっとこうなる。
 おじゃる丸でいつも登場するのが「笏(しゃく)」だ。僕には他で見た記憶がない。それを今日見た。その瞬間からおじゃる丸の姿とかぶって仕方がないのである。
 「あの人たちの今日の晩ご飯(饗宴の儀)のデザートは、ひなあられかな?」、娘が言った。「いや、プリン(おじゃる丸が大好きな食べ物)でしょ」、僕が返した。お互いにイメージが固定してしまっているようだ。というより、テレビの映像に繋がるようなイメージを二人ともそれくらいしか持ち合わせていないのだから、自然な思考回路だろう。

 歴史的なことはよく知らないが、それでも大筋では合っていると思うのだが、あのやり方は大和朝廷が出来つつあった頃に当時の中国王朝のマネをして始めたものだ。中国ではおそらく時代とともに変わったんだろうし、今ではそのやり方は中国には無い。中国には王朝そのものが無いんだから、残っているはずがない。それを日本で、中国のある時代のある王朝のやり方そのままに今でも続けている。そういう側面もあるのだろう。
 エキゾチックなショーだった。外国人の目にはそう映ったに違いないと思うが、実はなんのことはない、僕ら日本人の多くにとっても同じようにエキゾチック感があったんじゃないだろうか。儀式というより、ショーとして。

2019年10月11日金曜日

ぜんぜんぜんやさい

 娘が通っている学校の文化祭の話です。娘は高校2年生。文化祭で中心となって動く学年です。予定では、
   11(金) 準備の日
   12(土) 文化祭1日目
   13(日) 文化祭2日目
   14(月) 休日
でした。ところが土日に台風が直撃する予報で、12(土)と 13(日)の文化祭を延期して、代わりに 14(月)に1日だけ文化祭をやることになりました。
 そうなると2日間の予定を短縮するわけですから、準備したのに発表できないという人たちが出てきます。そこで 11(金)の準備の日の夕方に学内だけで前夜祭をやることになったそうです。つまり、
   11(金) 準備の日(前夜祭)
   12(土) 休み
   13(日) 休み
   14(月) 文化祭(1日だけ)
こんな日程になりました。

 ある生徒が言いました。「文化祭の前の晩にやるから前夜祭でしょ。2日も間が空くんだから、ぜんぜんぜんやさい(全然、前夜祭)じゃないね」
 そうしたら別の生徒が言いました。「でも文化祭の3日前にやるんだから、ぜんぜんぜんやさい(前々々夜祭)だよ」

 娘がそんなことを言っていました。
「ぜんぜんぜんやさいじゃない」も正しくて、「ぜんぜんぜんやさいだ」も正しい。矛盾してませんね。

2019年9月22日日曜日

★ アジアの地質

☆ アジアのカルスト地形
(→ https://omori555.blogspot.com/2019/07/blog-post_8.html )

  ◇ コロン島          (フィリピン) 
  ◇ チャゥカラッ・パゴダ    (ミャンマー) 
  ◇ 黄龍           (中国・四川省)  など


☆ 東南アジアのカルデラ
(→ https://omori555.blogspot.com/2019/03/blog-post_411.html )

  ◇ タール湖とタール火山    (フィリピン)
  ◇ 火口を見下ろす空の旅   (インドネシア)
  ◇ マウベシのポウサダ・ホテル(東ティモール)


☆ 台湾の地質
 (→ https://omori555.blogspot.com/2019/09/blog-post_85.html )

  ◇ 堆積と浸食いろいろ
  ◇ 泥温泉
  ◇ 湯婆婆的湯屋                 など

2019年9月1日日曜日

☆ 台湾の地質

 日本では海洋プレート(太平洋プレート)が日本列島の下に沈み込んでいるのに対して、台湾では海洋プレート(フィリピン海プレート)が台湾島の上にせり上がっている。それが原因の変わった地形がたくさんある。

  ◇ 堆積と浸食いろいろ 
  ◇ 泥温泉 
  ◇ 湯婆婆的湯屋 

  ◇ 漢字は自由だ 
  ◇ 中国語の繁体字と簡体字 

 日本から距離も文化も近くて、LCCもたくさん飛んでいて安く行ける。

堆積と浸食いろいろ(台湾)

(2014年夏)


 台北からバスで、もしくは電車とバスを乗り継いで1時間ほどの野柳というところに、こんなに面白い地形の場所がある。上に乗っている部分が風化しにくくて、それを支える部分が風化しやすくて、こんな形に残ったということだろう。キノコのようにも見えるし、ハチの巣のようにも見える。他には、岩にめり込んだように見える岩、縦横にきれいに正方形に分かれて網の目のように見える岩など、堆積と浸食のいろんな姿がここにはある。
 台北からすぐなのに、日本人観光客は少ない。ツアーバスでやってくる中国人団体客はやけに多かった。

漢字は自由だ(台湾)

(2014年夏)

 写真の左上は持ち帰り寿司屋の看板、左下は牛革製品店の看板、右は食堂に貼ってあった紙。いずれも台湾旅行中に見かけたものだ。
 左上の写真では「金」を3つ重ねた漢字と「魚」を3つ重ねた漢字を使っている。左下の写真では「牛」を3つ重ねた漢字を使っている。右の写真ではどれもとても複雑な文字だが、最後の文字は「黄金萬」を上下に重ねたように見える。


 「金」を3つ重ねると、ずいぶんリッチな気がする。「魚」を3つ重ねると、たくさんの種類の魚があるような気がする。まさか、いわゆる金魚を寿司にしているわけではないだろうが、寿司屋のイメージにはぴったりと言えるかもしれない。
 「牛」を3つ重ねるのは、何枚もの牛革をつないだイメージを醸しているのだろうか。人によっては「牛肉を腹いっぱい食う」というイメージを持ちかねないような気もするが、そういう意味ではないらしい。
 「黄金萬」は「金」3つよりさらにすごい。「萬」は「万」の旧字体だから、「金貨で一万両」くらいの量だろうか。なにはともあれ、めでたい漢字である。

 中国で生まれた漢字は周辺国に伝わって、中国でも周辺国でもそれぞれに進化した。日本では訓読みを当てたり、ひらがなやカタカナに変形したり、日本独自の漢字を生み出したりもした。たとえば「寿司」は音を合わせた当て字で、「鮨」は意味(旨い魚)を込めて作った日本独自の漢字だ。
 「金金金」と「魚魚魚」と「牛牛牛」は看板に書くくらいだから、台湾では漢字として認められているのだろう。「黄金萬」が一般に認知されているかどうかは知らないが、意味が分かる人は多いのだろう。
 日本と同じく中国・台湾でも英語の単語を使うことが増えているが、日本ではカタカナで表すところを、中国・台湾では結局漢字で書くことになる。たとえばコカ・コーラは中国では「可口可楽」と書く。音を当てながら、すっきりさわやかなイメージを乗せていると言えるだろう。
 日本から中国・台湾に伝わった漢字もある。寿司もその例だ。中国本土では日本と全く同じように「寿司」と書き、台湾では旧字体で「壽司」と書く。ところで中国でも台湾でも「鮨」とは書かない。「鮨」では音が合わないか、意味が合わないかのどちらかなのだろう。
 日本人が英語を翻訳して作った熟語を中国・台湾でそのまま使うようになったものもある。たとえばコンピュータを中国語で「電子計算机」(機械の「機」ではなくて、「机=つくえ」)と書くが、「電子」も「計算」も日本人が作った熟語だ。ついでながら、台湾でトイレに「男化粧室」、「女化粧室」と書いてあるのを見た。中国本土では使わない表現だと思うが、日本が一時期台湾を統治したことの影響なのだろうと思う。

 漢字は音と意味と、そしてイメージを含む。音も意味もイメージも、地域によって微妙に違っていながら、重なっている。漢字には、いつでもどこでも膨らみとズレがある。ネットやメールで使う絵文字も、子供につけるキラキラネームもその文脈でとらえれば、漢字の一つのバリエーションだと言えるだろう。 漢字は自由なのだ。