日本語は堪能だけれども、ジャンケンを全く知らない人がいる。「2人でジャンケンをして勝ち負けを決める」やり方を、文章で正確にわかりやすく説明しなさい。
彼がスムーズにジャンケンに参加できて、なおかつジャンケンを楽しめるような説明が理想です。ただし、絵や図を描いてはいけません。
わかりきっていることを、きちんと丁寧に説明してください、ということです。解答欄はB5サイズ(B4用紙の半分)。
《解答例》
ジャンケンとは勝ち負けを決めるゲームの1つである。これから2人でジャンケンをする場合のやり方を説明する。
ジャンケンでは「ジャンケーン」のかけ声の後に続く「ポン(またはポイ)」という合図と同時に、片手でグー・チョキ・パーのうちのどれか1つを出す。
グーは5本の指をすべて折りたたんで表現する。チョキは人差し指と中指を伸ばし、残りの指を折りたたんだ形で表現する。パーは5本の指をすべて開いて表現する。
2人の手が異なっている場合は勝ち負けが決まる。グーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝つ。グーは石を、チョキはハサミを、パーは紙をイメージしたものである。ハサミは紙を切れるが、石を切れないことと、紙は石を包んでしまうことが、その勝ち負けの由来である。
2人の手が同じ場合は「あいこ」といい、勝負がつかない。その場合は、もう一度ジャンケンを繰り返し、2人が異なる手を出して勝負がつくまでジャンケンを続ける。
例をあげて説明しよう。
まず1回目。2人で同時に「ジャンケーン」と言い合い、「ポーン」のかけ声と同時に2人がグー・チョキ・パーの手のうちのどれかを出す。ここで2人ともグーを出したとしよう。これが「あいこ」である。この場合は再びジャンケンをする。
続いて2回目。ここでA君がグーを、B君がチョキを出したとすれば、A君の勝ち、B君の負けとなる。これでゲームオーバーである。
以上のように、ジャンケンは手軽にできる公平なゲームである。
(・・・余談だが、同じようなゲームは、かけ声や手の形は違っても、世界中にある。アメリカでは「グー、チョキ、パー」のことを「Rock、Scissors、Paper」と呼ぶらしい。「ジャンケン」という名前は中国の拳法「邪拳」から来ているらしい。
また日本には昔から「キツネ拳」というものがある。登場するのは、狐と猟師と庄屋。正座して勝負する。狐は猟師に負け(鉄砲で撃たれる)、猟師は庄屋に負け(買い叩かれる)、庄屋は狐に負ける(騙される)。両手を耳の後ろにかざせば狐、左手を伸ばし右手を胸元に置けば猟師(鉄砲を撃つ姿)、両手をこぶしにして膝の上に置けば庄屋を表す。)
《解説》
・何を書くか?
まず、「全く知らない人に、正確に伝える」ためには、
① 勝ち負け、② あいこ、③ 手の形、④ タイミングの4項目を記載することが必須。
また、「わかりやすく」説明するためには、
⑤ 手の形の意味(「チョキはハサミで、パーは紙。ハサミは紙を切るから、チョキとパーではチョキの勝ち」など)はぜひ欲しいところ。他には、
⑥ ジャンケンをする目的(公平性など)、⑦ 具体例などがあるとよい。
・どの順に書くか?
大きい項目から始め、次第に小さい項目に移るのが基本形。上記①~⑦は別の段に記載する方が読みやすい。
《おまけ》
解答例の「余談」は、ホントに余談です。
で、最後におまけなんですが、高校生には「英語で説明せよ」なんて問題、出したいなぁ。いや、ボクには採点ムリなんで、ぜひ英語科の方で。。。
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