2019年5月2日木曜日

意見と理由と反論をセットで挙げる

あるテーマについて「明確な意見(主張)」と「説得力のある理由(根拠)」と「説得力のある反論(批判)」をそれぞれ1行で書いて、そのセットを3セット挙げてみてください。行数は全部で3×3=9行になります。これも「考え方のひな型」になるでしょう。
 ここで注意するべきことは「反論(批判)を理由(根拠)に向ける」ことです。意見(主張)に直接向けたら反則です。右上図のように1つの意見(主張)に3つの理由(根拠)を挙げて、それぞれに反論するパターンでもいいですし、右中図のように、あるテーマに対して3つの異なる意見(主張)を挙げて、それぞれを支持する理由(根拠)を挙げるパターンでも結構です。また、それらをミックスしたパターン、つまり右下図のようなものでも構いません。とにかく3セット挙げてください。

 ところで、ここで考えるテーマは何でもいいといえば、何でもいいんです。そのときに話題になっていること、ふと疑問に思ったこと、など。たとえば、
◇ 憲法改正
◇ 財政問題(消費税・年金・国債)
◇ 環境問題・エネルギー問題
などは、高校の授業で扱う内容と関連がありますし、マスコミ等でも定期的に(周期的に?)話題になりますから、生徒たちにとっては考えやすいでしょう。
 ここでは、次の問題でやってみましょう。
◇ 原発事故の損害を誰が負うべきか?
  意見と理由と反論のセットを、3セット挙げてみよう。
2011年3月に起きた福島第一原子力発電所の事故に伴う損害額は数兆円に上ると言われています。その損害は誰かが負担しなければならないものです。さて、誰が負うべきなのでしょう?
 真っ先に思い浮かぶのは、東電(東京電力)でしょう。実際、損害賠償をしています。でも、全部ではありません。国も一部負担しています。全く補償されていないものもあります。国が負担するというのは、結局は国民が負担するということです。それをさらに分けることもできます。増税で負担するなら現役世代が負担するということですし、国債を発行するなら将来世代が負担することになります。また、全く補償されていないものについては、被災者自身が損害を負っているということでしょう。
 現に負担している人や組織は他にもあります。事故発生当初は、他にもいろんな案が持ち上がりました。さて、それらの人や組織が負担しなければならないということは、それぞれの考え方・根拠があるはずです。そして、その考え方・根拠には反論が想定できます。
文章例は こちら をどうぞ。

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