(2010年冬)
ミャンマーがイギリスの植民地だった頃、イギリスはミャンマーの何カ所かで石油を掘っていた。第二次世界大戦で日本軍がミャンマーに攻め入って、一時は日本が油田を押さえた。戦争で壊れた油田施設を日本軍は修復して、日本軍もなにがしかの石油を掘ったらしい。そして日本は戦争に敗れ、ミャンマーは独立した。
ミャンマーに行く前にネットで調べてみたら、古い資料に「エナンジョン」という名前で出ていた。ミャンマーの地図を調べたら「イェナンジャウン」という町があり、そこで今でも石油を掘っているらしかった。観光地バガンから車で片道5時間くらいの距離かなぁとボクは見積もった。バガンから近いといえば近い。でも遠い。行くべきか行かざるべきか、そうボクは考えていた。
そしてバガンで聞いたところ、「イェナンジャウンまで行かなくても、バガンから片道1時間ほどのところにあるチョークという町でも石油を掘ってるよ」という話。というわけで、タクシーをチャーターして行ってみた。物見遊山のおじさんの趣味なのである。
行ってみて、町のあちこちで石油発掘の機械が動いていた。ところが、どこもかしこも立ち入り禁止なのである。いたるところに看板があって、ミャンマー語だからさっぱり読めなかったが、警告しているらしかった。タクシーの運転手は「道路から写真を撮るだけにしろ」、「それ以上行ったら、警察に捕まる」と言う。
確かについ何カ月か前にも日本人ジャーナリストが拘束されたというニュースがあったばかりだし、運転手さんに迷惑をかけてもいけないので、道路わきにあったものを写真に撮るだけで我慢した。
以下は、運転手さんの話である。「ここで掘った石油は中国に輸出している。発電もしているが、電力は全部ヤンゴンに送っている」。発電所がどこにあるのかは分からなかったが、高電圧の送電線は確かにヤンゴンの方角に向かっていた。
続いて、ボクが泊ったホテルのオーナーの話である。「どこかにもっと大きな油田があるのだろうけれど、ミャンマー政府は外国企業が油田探査するのを嫌がっている」。実際ボクが見た感じでは、目の前の油井からそれほどの量が採れているようには思えなかった。
以上、運転手さんもホテルのオーナーもボクもみんな片言英語だし、専門家でもないので、責任は持ちません。
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