2019年3月25日月曜日

わらしべ長者のジャパニーズ・ドリーム

 昔話「わらしべ長者」は物と物を交換するうちに、貧しい者が大金持ちになるという話である。最初の持ち物は1本のわらしべである。それを次の順序で交換していく。
1本のわらしべ → 蜜柑 → 反物 → 馬 → お屋敷
交換するたびに持ち物がだんだん高価なものになっていく。でも、交換する相手にとって不利な交換だったかというと、そうとは言えない。みなそれぞれに事情があった。相手にとっても交換は必然だった。市場経済が未熟だった時代と場所において、しかも市場参加者が2人しかいない状況において、需要と供給のバランスがとれた結果として交換が成立したのである。
 もちろん、その場に居合わせたことは男にとってラッキーだった。それが立て続けに何度も起きたことはもっとラッキーだった。

 ところで、アンデルセン童話にちょっと似ている話がある。「腐ったリンゴ」という話だ。これも物と物を何度も交換する話である。男の最初の持ち物は馬である。それを次の順序で交換していく。
馬 → 牛 → 羊 → ガチョウ → 雌鶏 → 腐ったリンゴ → 樽いっぱいの金貨
見ての通り、交換するたびにどんどん安っぽいものに変わっていく。「わらしべ長者」とは正反対である。この話では、男には実は交換する必然性はなかった。今風にいえば、衝動買いみたいなものである。そして最後に、ひょんなことから大逆転するのである。そして、貧乏人が最終的に金持ちになったという筋書きは「わらしべ長者」と同じである。

 ところで、これらの話、「風が吹けば桶屋がもうかる」に似てないか?
風が吹く → 砂埃が舞う → 目を悪くする → 三味線弾きになる
→ 猫が殺される → ネズミが増える → 桶をかじる → 桶屋が儲かる
いずれの話も可能性がゼロではない。でも、現実にはありそうもない。まして自分の身に起こるとは考えにくい。真似したところで二番煎じは狙えない。
 今でいうと、宝くじの当選率よりずっと低い。そんなことは昔の人もわかっていた。だから、流行るのだ。


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