2019年3月19日火曜日

ポツダム宣言

 ポツダム宣言(日本語版)は全文で1200字ほど、A4用紙1枚に収まる分量です。(英語版も同様にA4用紙1枚に収まる分量です)
 ですが日本語の原文は、漢字とカタカナだけで書かれていて、句読点もなくて読みにくい。そこで、ポツダム宣言の各条文を、思い切りシンプルに要約してみました。

 1条  アメリカ・イギリス・中国が話し合って、日本に戦争終結の機会を与えることにした。
 2条  米英中3ヶ国は、日本に対してさらなる攻撃を加える準備を整えた。
 3条  このまま戦争を続ければ、日本軍と日本国土は完全に破壊されるだろう。
 4条  今が日本が決断するべき時である。軍国主義者に従うのか、それとも理性に従うのかを。
 5条  我々の条件は、以下の通りである。他のものではその代わりにならない。
 6条  日本国民をだまし、世界征服の挙に出るという過ちを犯した者の権力を除去する。
 7条  日本に新秩序が生まれ、戦争遂行能力がなくなるまで、日本の一部を占領する。
 8条  日本の領土を本州・北海道・九州・四国、ならびに我々が決定する一部の島とする。
 9条  日本政府は、日本軍の兵隊に、家に帰って平和的に生産活動を営む機会を与えよ。
10条 日本政府は、日本国民の言論・宗教・思想の自由ならびに基本的人権を尊重せよ。
11条 賠償責任を果たすために、経済を立て直してよいが、再軍備につながる産業は認めない。
12条 それらの目的が達成され、平和的な政府が樹立されれば、占領軍は直ちに撤収する。
13条 日本軍の無条件降伏と、政府が上記に誠意を持って対応することを、我々は要求する。

 1条~4条は、いわば3ヶ国の心意気をうたったものといえます。第5条以下(6条~13条)で、降伏の条件を具体的に述べています。そこには、特に降伏の条件には、ずいぶんまともなことが書かれているとボクは思いました。

 さて問題は、このポツダム宣言を受諾することが「無条件降伏」といえるのかどうかです。
 第5条を原文のまま書くと、次のようになります。
(日本語)五、吾等ノ条件ハ左ノ如シ
       吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ右ニ代ル条件存在セス
       吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス
 (英語) 5. Following are our terms. We will not deviate from them.
       There are no alternatives. We shall brook no delay.
俗に「日本はポツダム宣言を受諾して、無条件降伏した」と言われていますが、ポツダム宣言を読む限り「条件付き降伏」のようにも受け取れるわけです。
 どちらの見方もできるでしょう。そこで 前の記事に書いた書式 に則って、2つの立場から考え方を説明してみました。

<例1>
1行目 私は、ポツダム宣言を受諾することは、条件付降伏にあたると思う。
2行目 ポツダム宣言の文章では、第6条~第13乗に降伏のための条件が具体的に書いてある。
3行目 13条の無条件降伏という記述は、軍隊に対してであって、国家に対するものではない。

<例2>
1行目 私は、ポツダム宣言を受諾することは、無条件降伏にあたると思う。
2行目 一方的に条件(要求)を突きつけてられていて、交渉の余地がない。
3行目 文中に「条件」と書かれているが、これは連合国側の「要求」に他ならない。

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