2019年3月25日月曜日

かちかち山の報復合戦

(たぬき) かちかちいうのは何の音?
(うさぎ) かちかち山のかちかち鳥がないたのよ
(たぬき) ぼうぼういうのは何の音?
(うさぎ) ぼうぼう山のぼうぼう鳥がないたのよ
軽快なリズムに乗って、物語は進みます。今日は、この物語を検証します。

◆ 前半戦
 畑を荒らすたぬきを爺さんが捕まえて、婆さんに言った。「たぬき汁にしてしまえ」。ところがたぬきは婆さんをだまして逃げ、隙をみて婆さんを殺し、ばば汁にしてしまった。爺さんはたぬき汁だと思って「うまいうまい」とそれを食い、後で婆さんを食ってしまったことに気付く。
 昔話「かちかち山」の前半戦は、もともとこんな話だったらしい。相手チームに押されながらも、たぬきがこぼれ球を拾って、起死回生のゴールを決めた。そんなところだろうか。前半戦はたぬきが1点リードして折り返し。

◆ 後半戦
 ここでうさぎが登場する。爺さん婆さんの助っ人だ。うさぎが復讐に立ち上がった。うさぎは色仕掛けでたぬきを誘い、たぬきはコロッとだまされた。うさぎは、たぬきにやけどを負わせ、傷口に唐辛子を塗りつけ、泥船に乗せて水に沈める。たぬきは「二度と浮かび上がってこなかった」ということだから、死んだに違いない。
 爺さん婆さんチームの戦力補強が功を奏し、後半戦は一方的に攻め続けて、1点を取り返した。結果はドロー。どちらも勝ち点1。

 さて、この話の前半戦と後半戦は、つながっていなきゃいけないのだろうか。前半戦は「たぬき VS 爺さん婆さん」で、うさぎはまるで関係ない。後半戦は「たぬき VS うさぎ」で、爺さん婆さんは登場しない。
 というわけで、前半戦と後半戦を別々の話として解釈してみよう。そうすると、前半戦は「たぬき汁ばば汁も、どっちもどっち、お互い様」という話になる。後半戦は「だまして、殺した(きっと財産か何かを手に入れたに違いない)」という話になる。
 もともとは全然別の話だったものを、誰かがつなげた、もしくはいつの間にかつながったんじゃないか。なぁんか取って付けたような感じで、話を無理やりドローに持ち込んだような気がするんだよなぁ。


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