昔々浦島は、助けたカメに連れられて、竜宮城に行きました。竜宮城で浦島と乙姫は、毎日楽しく過ごしました。けれどもある日、浦島は「家に帰る」と言い出します。乙姫は浦島を引き留めますが、浦島は聞き入れません。
そこで乙姫は玉手箱を持たせて、浦島を帰しました。ところが浦島には、もう帰る家はありませんでした。途方にくれた浦島は、玉手箱を開けました。白い煙が立ち昇り、浦島は白髪のおじいさんになってしまいました。
昔話「浦島太郎」は、考えてみると、奇妙な話です。SFのようでもありますが、やっぱりどこかトンチンカン。でもこれを、不倫話と受け取るとしっくりきます。
男女が出会うきっかけは、カメを助けることでも、何でもいいんです。二人は恋に落ち、一緒に暮らし始めます。そして、幸せな日々を送りました。それはもう、時が過ぎるのを忘れるほどに楽しい毎日でした。
けれどもやがて、冷めたのか、飽きたのか、反省したのか、男は不倫生活に終止符を打つことにしました。しかし女としては、男をただ帰すわけにはいかない。女は恨み辛みを詰め込んで、男に最後の贈り物をします。
結局、男は元の鞘に収まることはできませんでした。家族はもちろん、男は村人からも相手にされませんでした。すべてを失った男は、女を思い出し、贈り物を開けました。途端に男は、老いぼれた醜い姿に変わってしまいました。これでもう男は、本当に誰からも相手にされなくなるでしょう。こうして女の仕返しは、まんまと成功したのです。
シャンシャン。
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