2019年10月22日火曜日

おじゃる丸

 忍者もの・侍もののアニメやドラマはたくさんあるが、それに比べて貴族・公家系のアニメやドラマはとても少ない。僕が唯一知っているのが、NHK・Eテレで放映中の「おじゃる丸」だ。
 さて、今日の式典の様子をテレビで見ながら、娘が言った。「おひなさまみたい!」。女の子目線では、そう映るのだろう。それに続いて僕が言った。「おじゃる丸の世界だ」。男の子目線だと、きっとこうなる。
 おじゃる丸でいつも登場するのが「笏(しゃく)」だ。僕には他で見た記憶がない。それを今日見た。その瞬間からおじゃる丸の姿とかぶって仕方がないのである。
 「あの人たちの今日の晩ご飯(饗宴の儀)のデザートは、ひなあられかな?」、娘が言った。「いや、プリン(おじゃる丸が大好きな食べ物)でしょ」、僕が返した。お互いにイメージが固定してしまっているようだ。というより、テレビの映像に繋がるようなイメージを二人ともそれくらいしか持ち合わせていないのだから、自然な思考回路だろう。

 歴史的なことはよく知らないが、それでも大筋では合っていると思うのだが、あのやり方は大和朝廷が出来つつあった頃に当時の中国王朝のマネをして始めたものだ。中国ではおそらく時代とともに変わったんだろうし、今ではそのやり方は中国には無い。中国には王朝そのものが無いんだから、残っているはずがない。それを日本で、中国のある時代のある王朝のやり方そのままに今でも続けている。そういう側面もあるのだろう。
 エキゾチックなショーだった。外国人の目にはそう映ったに違いないと思うが、実はなんのことはない、僕ら日本人の多くにとっても同じようにエキゾチック感があったんじゃないだろうか。儀式というより、ショーとして。

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