ユダヤ教の預言者モーセと、キリスト教の預言者イエスと、イスラム教の預言者ムハンマド(マホメット)はいずれも今でいう中東出身者だ。現在の人種・民族の分類でいえば、いずれもアラブ人ということになる。中でもイエスは、彼がもし今生きていたらパレスチナ人と呼ばれることだろう。
さて、預言者はみんなアラブ人かと言うと、そうでもない。モンゴロイド(モンゴル系の人種)にもいる。ブッダである。彼はインドで教えを広めたが、彼はインド人ではない。ネパール人だ。そして彼はインド系ネパール人ではなくて、モンゴロイドのネパール人なのである。
仏教は一時インドで広がりつつあったものの、じきに寂れた。一方で、ヒマラヤを越えてチベットに渡り、海を越えて東南アジアに渡って、そこで定着した。彼の教えがモンゴル系であることの証であり、彼がモンゴロイドであったことの証である。
クリスチャンはイエスを預言者とは呼ばないが、一神教の系譜からすると彼も預言者の一人である。仏教圏で生活する人々はブッダを預言者とはみなさないが、唯一神を信じる人たちの目には預言者に映る。実際、ムスリムははっきりとそう口にする。だから「仏教徒もイスラム教徒も同じだ」と言う。
ところで、預言と予言は違う。予言は「未来のことをあらかじめ言う」こと、預言は「神の言葉を預かる」こと。気象予報士のお姉さんは予言者であって預言者ではない。巫女さんは預言者であって予言者ではない。占い師を予言者とみると詐欺師だが、預言者とみれば聖者である。
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