(2018年夏)
中国・雲南省・建水の臨安古城と団山古民居をつなぐ列車。建水古城小火車という。廃線になった路線の一部を観光用に復活したものである。途中の古い駅舎や橋で30分ほど2回停まり、折り返し地点では団山古民居を見て回るために2時間ほど停車して、往復含めて5時間ほどの半日観光用の列車だ。
十数キロの道のりを時速20kmほどでガタンゴトン進む。うちの学校の鉄道研究部の生徒たちが乗ったら、泣いて喜ぶに違いない。
夏の雲南省はよく雨が降る。それでも観光客はいっぱい。ほとんどすべて中国人だ。
駅のホームでタバコを吸って列車に乗り込んだら、中国人に褒められた。ほとんどの中国人は英語を(もちろん日本語も)話さないのだが、その代わり今時はスマホの翻訳機能を使ってコミュニケーションする。ある中国人がスマホに入力した中国語を日本語に翻訳して僕に見せた。そこに書いてあった文字は、
一見して意味がわからない。けれども、相手は僕のことを褒めてくれたようだ。僕が何をしたかというと、タバコの吸い殻を携帯用灰皿に入れただけ。つまりポイ捨てしなかったこと(これがたぶん「詳細」)に感心した(これがたぶん「震撼」)ということらしい。あなたのタバコの詳細に震撼した。
そんなことで褒められても困るのだが、そんなやり取りをしたり景色を眺めたりしながらの小火車の旅だった。
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