ところで、ここで考えるテーマは何でもいいといえば、何でもいいんです。そのときに話題になっていること、ふと疑問に思ったこと、など。たとえば、
- 財政問題 (消費税・年金・国債)
- 環境問題・エネルギー問題
- 領土問題
- 修学旅行の行先、国内か、海外か(ウチの学校では京都・奈良に行ってます)
- ゆとり(教育が望ましい)か、競争(詰め込みとは言わずとも、みんなで競ってやる)か
- 大学入学の時期は春か、秋か(現に話題になっています)
実際に授業でやるときは、テーマだけ与えて結論を各自に自由に作らせたり、対立する2つの見解のどちらかを選ばせたり(あるいは、両側から書かせたり)、そんなふうにやっています。
こういうときこそ「3つ」挙げる効果がてきめんに出てきます。一本道を進んで結論に行き着こうとすると、障害物(事実関係の間違いや説得力の無さなど)のために結論にたどり着かなったり(図1)、論を進めるうちに予定していない方向に進んでしまったり(図2)しがちです。それに対して、ここでのやり方は、結論を3方から3つの理由でがっちり固めるような言い方です(図3)。
ところで、次のような言い方もお勧めです。
◇ 理由は3つある。フランス人はそのようなしゃべり方をするという話を聞いたことがあります。まず初めに結論を述べて、続いて「理由は3つある」と言ってしまう。そして、1つ目をしゃべりながら2つ目を考えて、2つ目をしゃべりながら3つ目を考える。3つ目あたりで詰まってしまうこともあるそうですが、それでも最初に「理由は3つある」と言ってしまって、なんとか頑張って3つ挙げようとする。そのまねをしてみるのもよさそうです。 たとえば、
1つは ○○、
2つ目は △△、
そして ◇◇ だ。
◇ 私は消費税率アップに反対である。理由は3つある。・・・とか、あるいは反対に、
◇ 消費税率を上げるべきだと私は考える。理由は3つある。・・・のように、初めに結論をズバリ言ってしまって、続いて「理由は3つある」と宣言する。理由3つを即座に挙げることが目標なのではありませんが、理由を3つ挙げるためには、いろんな立場で、いろんな視点で考えることになるでしょう。その習慣の方が大事なんだろうと私は思います。
対立する2つの見解で争う必要はありません。相手の論の欠点をあげつらう必要もありません。ただただ自分の論を支える根拠・理由・考え方を、3つ挙げてみてください。1つ目、2つ目は簡単に出てきても、3つ目はなかなか出てこないかもしれませんが、そこでじっくり考えることになるでしょう。いろんな立場から、いろんな視点で考えてみてください。そしてできることなら、本心はどうであれ、同じテーマで2つか3つ、この論法で作文してみれば、問題の本質が見えてくるんじゃないでしょうか。
なお、1行目の結論と3つの理由は、やっぱりそれぞれ1行で書いてください。それがここでのお約束です。 文章例は こちら をどうぞ。
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