2019年5月27日月曜日

オレが死んだらライオンのエサにしてくれ

(2011年秋)

こんな遺書を考えた。
オレが死んだら、遺体をライオンのエサにしてくれ。
残ったものは虫のエサに、最後は微生物のエサにしてくれ。
ボクたちは生き物を食べている。レストランでも家庭でも、食事でもおやつでも、ボクたちが口にしているものは、水と塩以外はすべて動植物だ。太古の昔から現代に至るまで、どんなに科学技術が進んでも、その事情は変わらない。
 きのう動物園に行って、園内のレストランで昼食をとっているときに、その考えが浮かんだ。けれどもその場に一緒にいたのが娘とその友達だったから、いくらなんでも場違いだと思って黙っていた。草を食う動物、肉を食う動物を見物して、その途中にボクらは草と肉を食っていた。同類である。
 ボクたちは生き物を、生き物だけを食べている。まわりに人工物があふれている中で、食べ物だけはとことん自然の産物なのである。当たり前のこととはいえ、つい忘れそうになることでもある。そのときはたまたま動物園で思い出した。
 
 人が死んだらその後どうなるか? 自然に帰るというのが1つの答えであるならば、ライオンのエサになるのも選択肢の1つとして悪くない。

0 件のコメント:

コメントを投稿