2019年4月3日水曜日

アンパンマンは日本人の心です。

 トトロが動物じゃないのは確かだと思うが、じゃぁあれは何者か? まぁ鎮守の森の神様ってところだろう。じゃぁネコバスは? あれは化け猫だろうね。普通は、あんなのが出てきたら、ひたすら逃げるさ。でも、アニメの中ではどちらも子どもたちのヒーローだね。
 ゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪たち。悪役と正義の味方に分かれているが、ぜぇんぶ妖怪。悪役もやさしかったり、ひょうきんだったりするし、正義の味方もマヌケだったり、気味悪かったりする。しかも、両者はどきどき入れ替わる。つまり、根っこはどれも同じなんだ。
 この感覚、日本人特有なんだと思う。あらゆるものが神で、あらゆるものがおばけ。そこに区別はない。「死んで仏になる」というが、これも日本人だけの発想。仏になるばかりじゃなくて、しばしば「たたり」にもなる。ボクらの周りには、そこらじゅうにこんなのがいる。
 日本は八百万(やおよろず)の神の国。だから日本のアニメはおもしろい。一神教世界のアニメに出てくるのは、動物と魔法使いばっかり。おもしろいわけがない。一神教がメジャーである中で、存在するものすべてに神を見るのは、いまどき日本人くらいなんじゃないかな。

 そんな日本人の感性を最もストレートに表しているのがアンパンマンだ。キャラクターが無限に出てくるあの感じ、それでいてまったく違和感がない。要するに、アンパンマンの仲間たちは、みんな神なのだ。そして、アンパンマン・ワールドは八百万の神の国そのものなのだ。
 だから、アンパンマンは日本人の心です。


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